デザイン方針
   
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  「地球に優しい家づくり」の為に
   外断熱RC「TAPH」(200年住宅)で「外断熱住宅革命」を

21世紀の今、人類は初めて地球的視野に立ち、危機意識の共有が生まれました。現状のまま環境に負荷をかけ続けることが許されないことを自覚し、これから生きて行く上で、環境問題の解決が最優先課題の1つであります。私どもは循環型社会の構築を完成させることが重要だと考えています。

 

戦後の社会、経済環境の変化に伴い日本の生活スタイルは大きく変わりました。しかし、家づくりの手法は驚くほど変わっていません。無駄にエネルギーを消費し、シックハウスやアレルギー症の多発など、病気までも誘発する始末です。この様な問題を解決する為には、従来の住宅の考え方を根本的に考え直さなければなりません。先進諸国の中でもドイツや北欧諸国の取り組みは早く、(20年以上前の)オイルショック以降のことです。建物自体を断熱材で外から包みこむ発想で室内の発生熱を無駄なく使いCO2の排出削減にも、ランニングコストの削減にも役立てています。
私達は、この諸問題の根本的な解決には外断熱化しかないと信じ、世の中が「外断熱」を話題にするずっと以前から外断熱RC「TAPH」方式を考え提案してまいりました。近未来に訪れるであろう低炭素社会の到来にも、省エネ型住宅、長寿命型住宅、高強度耐震型住宅、どれを取っても次世代住宅には必要不可欠な要素です。
1998年以来の外断熱の経験を生かし、より多彩なラインUPを構築する為に一層本腰を入れて取り組みますので今後ともよろしくお願いいたします。

     
     

備考録 1 日本の気候風土について
おそらく「家」にとって世界広しと言えども日本ほど過酷な気候風土はないかもしれません。毎年必ずどこかで起こる地震災害を初めとして、年間2000ミリを超える降雨量、100%にもなる湿度、台風被害(豪雨、強風、土砂災害)、ダウンバースト、竜巻も忘れてはなりません。夏の炎天下、直射にさらされる屋根の表面温度は70度にもなります。冬期の寒冷地では氷点下15度も珍しくありません。ゲリラ豪雨、多湿、乾燥、凍害、積雪にも備えなければなりません。年間の厳しい寒暖差や、猛烈な気候風土から身を守る強固な機能が日本の住宅には必要なのです。

 
備考録 2 時代の転換点(変革の時 長寿命を求める訳)
現代日本の平均的住宅寿命は約30年、人生80年の間に何度も「棲家」を追われ、世代が変わるごとに住宅ローンを組まされその呪縛から抜け出せないそれがいまの日本の住宅システムです。さらに悪いことに石油をはじめとする資源の枯渇等これからの30年先の状況は好転するとは思えません。今のままの「方法、考え方」を続けて良いのでしょうか?もう気付くべきです。早く負の循環から抜け出し「家造りの選択」に正しい判断力が問われています。これからの住宅は20~30年寿命の「消費型」から100年~いや、それ以上の「ストック型」へと転換する今こそ「変革の時」なのです
 
備考録 3 住宅寿命について(長寿命化への取り組みから外断熱に至るまで)
日本の伝統的民家や町屋で築年数200年以上は珍しくありませんが生活形態の変化、経済性、材料不足、都市不燃化等の法規制などの原因により、現存する建物は、ごく僅かです。つまり明治以降には生産が止まり「淘汰」されたと言えるかもしれません。今までの伝統的木造に替わる「現代人の住まい」として何世代にも渡り住み継げる家を造るにはどうすれば良いのか?そんな課題を建築家として持ち続けていました。1986年の独立以来ずっとです。そしてこの「命題」のヒントは旅行での“ある発見”にありました。スペイン バルセロナの「サクラダファミリア」(聖家族教会 アントニオ・ガウディ設計)の作業現場見学の折、柱と思しき所から4本の鉄筋が出ているのに気付いた時です。これは「大きな発見」でした。この建物は1881年に着工し130余年経た現在も工事半ば完成までさらに何年かかるか分からないと言われています。この世界的にも有名な「ガウディの教会」が実は「鉄筋コンクリート構造」であり日本で見慣れた建物と同じ構造という「事実」。これは本当に驚きでした。そしてこの「違い」とは建物全体の柱や壁を彫刻を施した石で徹底して「覆い隠した」ことでした。「覆い隠す」(躯体保護=断熱)が「長寿命」の必須条件だと気付いたのです。日本の鉄筋コンクリート構造建物の耐用年数は一般的には40~50年と言われています。欧米諸国と較べても半分以下と短いのは何故でしょうか?それは今まで「熱(膨張・収縮)」の影響を見過ごし(過小評価)対策を怠ってきたからだと思うのです。(構造的強度ばかりが優先され過ぎたのかもしれません。)真夏の炎天下では70度近くまで熱せられ真冬は凍結に曝されます。これが毎年繰り返される結果、ヒビだらけの躯体となってしまうのです。この熱膨張・収縮現象によるストレスこそ短命の原因と気付いたのです。この問題の根本的解決策は、躯体を被膜し断熱することで年間を通して室温(20度前後)を一定に保ち、温度変化による「ひずみ」から躯体を守る外断熱化しか考えられません。そうすることにより、躯体寿命が約3倍以上にも延びる事が専門家の研究・実験等で証明されています。もちろん設備・配管等は30年毎に更新し、適切な保守・点検がなされる事が必要ですが。そうなれば日本独自の「都市文化の熟成」が可能となるでしょう。(欧米の都市にみられる様な「歴史的都市景観」)又、その様な「選択肢」の存在こそが日本の都市に必要であり何よりうれしい事ではないでしょうか。外断熱RCは単に躯体被膜の方法でありますが、その恩恵・効果は予想を超えて「大きな可能性」を秘めています。
 
備考録 4 高度な「省エネ」の理由
外断熱RCを採用することで断熱効果が非常に高く、冬は暖房なしでも暖かいほどです。夏は昼間のエアコンの冷気をコンクリートに蓄冷する為、夜はエアコンを切った状態でも快適に過ごせます。このことでもCO2排出量の削減に大きく貢献できる住宅です。断熱と同様に重要なのが機密性です。次世代省エネルギー基準で定められたC値(隙間相当面積)は2㎝/㎡ですが、私共の外断熱RC住宅で得られたデータではC値=0.39㎝/㎡の為、冬は室内に蓄えた熱を外に逃がしません。
コンクリートの巨大な熱容量を利用した住まい方の工夫により冬は蓄熱、夏は蓄冷と一年中温度差の少ない快適な室内空間を実現します。そのエネルギー消費は木造の場合と比べ約3分の1から4分の1以下となります。一日中エアコンに頼らなくても、暑い夏の夜を涼しく過ごせるのはコンクリートが昼間のエアコンの冷気を蓄え、断熱材が外部からの熱を遮断するため、消費エネルギーの削減が可能となり耐久性も併せて大きな省エネ効果を生み出します。太陽の恵みを充分に生かした一年中温度差の少ないパッシブソーラー快適室内環境が実現します。
 
備考録 5 家族を守る「健康」について(暖かいことの必要性+シックハウス対策)
「ヒートショック」は急激な温度変化が原因で血圧が急上昇・急下降することにより起こります。毎年1万人以上の方が亡くなります。これは日本家屋での室内における「温度差に問題」があると言われています。特に冬場に暖かい部屋から寒い廊下やトイレ、脱衣所に移動の際、心臓に大きな負担がかかる事に起因します。外断熱RCでは、住宅全体の室温が一定で温度差(1~2度程度)が小さい為「ヒートショック」予防に最適と言えます。
又、結露を防止する為には家全体を均一な温度にする必要があり、温度差が高いと水蒸気が温度の低い所に集まり、結露し易くなります。結露防止の「最大の利点」はカビ・ダニの温床をなくす事で最良の「シックハウス対策」となります。壁体内部もハリボテでは無く蜜実なコンクリートなので隙間がなく内部結露の心配もありません。 高機密・高断熱性を発揮する外断熱工法の家こそ、住む人の健康や環境のことを一番に考えて造られなければなりません。
 

備考録 6 RC外断熱工法の特長
欧米では常識となっている「外断熱工法」は躯体の外側を断熱材で包み込む事で躯体を風化や酸性雨から守り耐久性を格段に向上させます。また外気温の影響を受けにくい省エネ空間を実現します。さらに結露を防ぎ、カビやダニの発生を抑制し健康な空間を実現します。又、RC外断熱「TAPH」(パネル型枠RC工法)や、メーソンリー組積造では、特質を生かして簡単スピーディに断熱材と外壁下地用ハングネットの取り付けを完了し、その上でモルタル金ゴテの外壁を施工しますので意匠性の幅を大きく広げ、さらにローコストと工期短縮を両立します。
住宅は建てる時も住まいとして機能している時も大量の資源やエネルギーを消費しています。地球環境を守るためにも建物のライフサイクルを考えて環境に負荷をかけない【住まい造り】に取り組む努力が必要です。私達の工法は、従来型RC造建物で大量に消費される型枠(森林資源)を大幅に減らします。(従来の約3分の1以下)つまり、地球を守る「環境配慮工法」と言えます。
メイソンリー組積造は、国の耐震実験で高強度シェルターとして実証されました。近年、強大化する台風や地震などの自然災害から家族を守る「安心安全の家造り」には鉄筋コンクリートの強度が必要です。

 
 
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